新潮丸

曳船兼海難救助船兼作業船兼調査船(2,096t)

新潮丸は、曳航・海難救助から海洋調査まで幅広い任務に対応する多目的作業船です。DUAL DP(2系統の自動船位保持)システムによる高精度な定点保持能力を備え、外洋での複雑な作業環境においても安定した運用を実現します。

派手さよりも確実性を重視し、現場で求められる役割を着実に果たしてきました。

新潮丸が担う役割

DUAL DP(二重冗長型自動船位保持装置)

DP装置を二重冗長構成としたシステム。発電機・スラスター・制御系統を独立した2系統以上に分離し、いずれか1系統に単一故障(Single Point Failure)が発生しても船位保持を継続できる設計。

海洋調査や曳航支援等、万一の位置逸脱が重大事故や設備損傷に直結する高精度オペレーションで要求されます。

Unicorn-1 母船機能(海底着座型ボーリング機の運用支援)

水深3,000mまで対応可能な海底着座型ボーリング機「Unicorn-1」の母船として、投入・揚収装置(LARSシステム)を搭載し、洋上からの運用を支援します。Unicorn-1は海底に自律着座してコアリングやCPT(コーン貫入試験)を行う無人掘削装置で、洋上風力発電施設の建設に先立つ地盤調査や、海底資源の探査に用いられます。

母船には、AHC機能付きウインチ・Aフレーム・制御バンなどの支援設備を備え、機器の安全な投入・揚収から洋上でのデータ取得・メンテナンスまでを一貫して対応できる体制を整えています。

曳航設備(トーイングウインチ・シャークジョー・トウピン)

大型構造物や台船等の海上曳航に対応する一連の曳航設備を装備しています。トーイングウインチは曳航索の繰り出し・巻き取りと張力制御を担い、シャークジョーは曳航索を船尾で確実に固定・保持する装置、トウピンは曳航索の接続・導出ポイントとなる金物です。

これらが一体となって機能することで、荒天下でも安全かつ安定した曳航オペレーションを実現します。

広域甲板(ウッドデッキ仕様)

広い甲板面積を備え、資機材の積載・仮置き・作業スペースとして柔軟に活用できます。

甲板面はウッドデッキ仕様となっており、鋼製甲板と比較して資機材や積荷への損傷リスクを低減するとともに、作業員の足元のグリップ性にも優れ、甲板上での安全な作業環境を確保します。

Fire Fighting System(消防設備)

船外への放水能力を備えた消防設備を搭載。海上での火災対応や、僚船・洋上構造物への消火支援が可能です。

自船の防火体制はもちろん、洋上作業現場における安全のバックアップとしても機能します。

特徴

新潮丸最大の特徴は、DUAL DPシステムの搭載です。独立した2系統の自動船位保持が備わることで、定点保持の信頼性が高く、万が一、一方のシステムに障害が生じても、海上での作業を継続できる安全性を確保しています。オフショアプロジェクトで要求される高い資機材搭載・運用能力の要件を満たす船舶です。

また、AHTS(アンカーハンドリング・タグサプライ船)としての性能も備えており、アンカーの回収・設置作業に加え、大型構造物の曳航や緊急曳航にも対応できます。

長期間の海上作業に必要な人員・資機材を船内に確保できる居住・運用能力を持ちます。

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