DPS操船により、目標物を追う航行が可能となります。
例えばROV(遠隔操作無人探査機)を使用した海洋調査では、ROVと船体との距離が離れすぎず、常に一定の距離を保つことが必要なため、ROVの動きを追うように航行します。
仕事の特徴
共栄マリンの甲板部の仕事は、下記の3つに分類されます。
(1)基本業務に加え、(2)各プロジェクト毎にさまざまな業務を行い、必要に応じて(3)DPSを操作し、操船します。
(1)基本業務 | 航海当直業務、船体保守・点検・整備作業 |
(2)プロジェクトに付随する業務 | 海洋調査作業、曳航作業、洋上船舶等への資材供給 など |
(3)DPS操作 | 操船システム:船体定点保持、目標物への接近 など |
仕事の面白みはなんといっても、さまざまな場所で海洋調査・開発、作業に携わるということです。
時には仕事の合間に深海の様子をモニターで見学できたり、新聞に報道される現場にも行くことがあります。
(1)基本業務
航海中は、ワッチ体制(4時間当直・3交代を1日2回繰り返し)となります。
停泊中は、原則的に朝8時から17時までの勤務となります。停泊期間の業務は、主に船体保守・点検・整備作業を行います。時に船長もサビ打ち・塗装作業等を行う事もあります。
(2)プロジェクトに付随する業務
プロジェクトに応じて、さまざまな場所で多種多様な作業を行います。
- 海洋調査作業
ROV(遠隔操作無人探査機)、AUV(自律型無人潜水機)、海底着座型ボーリング機を用い、海底生物・資源・地質調査を行います。甲板部は、出航前に調査機材を甲板へ取り付ける作業を行ったり、調査海域への調査資材の投入・回収等の補助作業を行ったりします。
なお、基本的に乗組員は調査機材を操作せず、外部から専門のオペレーター・エンジニアが乗船し、操作します。
- 曳航作業
自航不可能な船舶(海難救助等)や資材を積みこんだ台船等を曳航します。
甲板部・機関部を合わせた乗組員は、出航前に曳航手順について事前に図面等で打合せを行います。
現場での曳航索連結および解除時には、一等航海士が甲板作業の指揮をとり、甲板部・機関部を合わせた乗組員全員で対応し、船長がブリッジにて操船という配置になります。
- 洋上船舶等への
資材供給 -
画像協力:JAMSTEC
海上で作業・調査する船舶等へ燃料・物資を届け、または、必要に応じてコンテナ・資材を受け取り、港まで運搬します。
甲板部は、出航前の資材・燃料の積み込みを行ったり、現場では吊り具のついたコンテナを相手船のクレーンフックにかける等、甲板での荷役作業を行います。その他、燃料やセメント等を専用ホースにより相手船へ移送します。
(3)DPS(ダイナミック・ポジショニング・システム)操作
弊社の管理船舶4隻に操船システムとして、DPSが装備されています。
プロジェクトによっては、DPSによる操船が必要となります。
DPSを操船するため、弊社は社内での研修に加えて、シンガポール・イギリス等での海外研修制度を設けています。

DPS操船により、洋上で風や潮流などの外力の影響を踏まえ、自動的に自船の位置を定点保持させます。
海洋調査では、調査海域において船体を定点保持させることが必要となるため、DPSが使用されます。
また、洋上船舶等への資材供給業務では、相手船への荷役を行う際、相手船の船体と自船をゆっくりと近づけ、位置を固定させる操船が必要となるため、DPSが使用されます。